行く先は決まっていた。南風原。家は決まっていなかった。
でも、仲間がとりあえず宿を提供してくれた。一緒に飲んで沖縄のことを色々教えてもらった。寝る時、布団を敷いてもらうでもなく畳の上に横たわり枕とタオルケットを渡された。「これがオキナワンスタイル」。衝撃だった。
不動産屋を何軒か回ったけど中々良い物件が見つからず、毎晩敗戦報告会。そのうち彼がアパートを見つけてきてくれた。その後も仔細に渡り、自分の子供のように気遣ってくれた。
1年半後、自分が移動することになった。伊江島に行くか奄美に行くか選択肢は二つあった。彼に相談してみた。「伊江島でしょう」。道理にかなった理由を話してくれた。鶴の一声だった。
島で暮らして暫くして、彼の奥様が亡くなり、その後暫くして彼は再婚して島に来てくれた。彼が講演して、一緒に食事を楽しみ城山に登った。「新婚だからね!」。テンションがとても高かった。いや、高めていたのだろう。
夏の大きな集まりの度に会うのを楽しみにしていた。でも島を出てこちらに来るとき、挨拶に行く時間も無かった。彼はいつでも元気。沖縄に来れば、那覇には彼がいる。
そんな錯覚。
一昨日、彼が亡くなったかも、
そんな話を聞いた。
そして今日、確認した。
先週金曜、告別式だったとのこと。
言葉が無かった。
癌だったらしい。
辛かったはずね。痛かったはずね。でも今は休んでいる。
僕は忘れない。僕だけじゃない。彼は「天に宝」を蓄えていたのだから。
そう、山のような宝を。
Resurrection ! We all hope so !
Yes,we all hope so.
And,we should struggle to welcome him.