歯医者

これまで歯医者は褒められに行くものと思っていた。
小学校の時から昼食後も歯磨きし、
勿論今も毎食後磨く。フロスもたまに使い
定期健診も欠かさない。
その甲斐あってか
治療した歯も1本も無く、歯医者ではいつも褒められていた。

今日も妻に連れられ意気揚々と定期健診に出かけた。
やっぱり褒められた。
「綺麗な歯ですねぇ、創造者を賛美していますよ」。
とは先生の弁。
そこまで褒められたことはない。
が続いて、
「ん?怪しいのがありますね。レントゲン撮ってみましょう」。
その写真を見ながら、
「ここですね、まず虫歯でしょう。表面的には見えないけど
横に小さな穴が開いてそこから中がやられていますね」。
な・な・なんと…
ここで天国から地獄へ
歯の掃除してもらうだけのつもりが
突如治療が始まる。
小学校で乳歯の治療をしてもらった以来である。
麻酔打たれて
歯に穴を開けられ
「やっぱり虫歯だ。もし間違ってたら
賠償問題ですからね~」。
心なしか先生は嬉しそうだ。
色んな道具を使って削るは削る、
そして消毒、歯形を取って仮の詰め物。
手際よく、まさに職人芸ですな。

自慢の歯に治療の手が入ってしまい、
帰りはかなりブルー。
ちょっと他の悩みもあったりして
この世の終わりって感じだったのか
帰りの車中で妻が励ましてくれた。
「私なんか治療した歯いっぱいやけど、
全然大丈夫やで~」。
まあな、君の歯は既に随分前から傷物だよ。
僕は今日初めて傷物になったんだよ。

しかしその後、家に帰ってから
「他の悩み」が解決し、気分は一気にハッピーに。
「ま、歯一本くらい治療しても死なんわな!」
我ながら単純な男だ。

学んだ教訓:
①歯医者は治療しに来る所である。
②表面的にはきれいでも中が腐っていることがあるから気をつけよう。
いろんな意味で。

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